30代半ばに体験したちょっぴり不思議な出来事をきっかけに自分を見つめ直した、内向型主婦の「にわとり印のごきげんブログ」。作成者のNikoと申します。
『わたしが「わたし」を助けに行こう』ってどんな本?
私たち誰もがもっている「心の防衛反応」に注目した本
『わたしが「わたし」を助けに行こう~自分を救う心理学』は、2024年4月1日に初版が発行された 公認心理士の橋本翔太さんによる書籍です。
人間関係における悩み、夢を叶える際につきまとう困難さなどの
私達人間が抱える多くの問題について、「心の防衛反応」=「ナイトくん」に焦点を当てることにより解決へと導いていくという内容になっています。
早く解決して消去してしまいたい問題や悩みの裏側には、あなたを守るという役目があるのです。
それが、「問題の本当の姿」。
あなたを守ろうとしてあなたの心が生み出した、もうひとりのあなたです。
あなたの心の防衛の役目を担っています。
橋本翔太著:わたしが「わたし」を助けに行こう P14 サンマーク出版
(前略)この本ではこの心の防衛隊を、親しみを込めて「ナイト(騎士)くん」と呼ぶことにしましょう。
(中略)意識できていてもいなくても、誰にもどんな人にも、自分自身を守るための心の防衛隊=ナイトくんがいます。
橋本翔太著:わたしが「わたし」を助けに行こう P34 サンマーク出版
『わたしが「わたし」を助けに行こう』の構成
この本の本文は3章で構成されています。
1章と2章はこの「ナイトくん」についての説明が中心であり、
3章は「ナイトくん」に気づきコミュニケーションをとることによる問題の解決の仕方「ナイトくんワーク」について、様々な事例も交えながら書かれています。
『わたしが「わたし」を助けに行こう』のポイント
非常にざっくりとしたポイントの紹介になりますが、この本には以下のような内容が書かれています↓
- 「ナイトくん」は、誰もが皆持っている「心の防衛反応」であり、私たちが日頃抱えている悩みや問題の裏にこの「ナイトくん」が深く関わっていることが多い
- ナイトくんの目的は「あなたがこれ以上傷つかないようにすること」であるけれども、子供の頃の心から生まれたナイトくんは非常に不器用で極端なため、大人になったあなたの世界でうまく機能することができず、逆に悩みや問題となって現れてきてしまう
- 幼い頃に深く傷ついた人ほど、強く働くナイトくんが現れる
- ナイトくんの存在に気づいて仲良くなることによって、自分の力で悩みや問題を解決することができる。そのために「ナイトくんワーク」が役立つ
作者は公認心理士の橋本翔太さん
この本の作者は公認心理士(日本の心理職唯一の国家資格)である橋本翔太さん。
「心理療法」と「栄養療法」「音楽療法」の3本柱を使った療法などで活躍していらっしゃいます。
私は以前から橋本翔太さんのYoutube「心理カウンセラー【公認心理師】橋本翔太の人生リノベーション!」をチャンネル登録していて、時々聞いていました。
心理学をわかりやすく教えてくださっている動画やお悩みライブ動画などがあり、聞いていて涙が止まらなくなるような話も多々あります。個人的には幼少期に沢山傷ついた人向けの対処法や、HSPについての見解などの動画などを見てすごく納得できました。
「現実とスピリチュアルはお蕎麦と薬味の割合で!(スピリチュアルを信じてもいいけど、そこに頼りすぎないで現実を精一杯生きるという趣旨)」という大切なこと教えてくださったのもこの方です(^^)
読んでみての感想
橋本翔太さんのYoutubeチャンネル内でのお知らせで、この本についての紹介が何度かあってこの本の存在を知りました。
動画を見ていたので、この本に有益なことが書かれてあるというのは想像できましたし、何度もお知らせ見るとね、やっぱり買いたくなっちゃいますね(笑)。
というわけで購入したのですが、買ってよかったです。そもそもこのブログのこのカテゴリでは出会えて本当に良かったものについてしか書いていないのですが、本当に買ってよかった。
そしてそう思ったのは私だけではないようで、重版、重版が続いて現在9刷。現在45,000部を突破しているそうです。
私の話になりますが、生まれ育った家族に「すぐ怒る人、しかも手が付けられないほど激高する人」がいて、私は幼い頃からずーーーーーーっと「どうしてそういう行動をとってしまうの?」と思っていました。その人をなだめることに私の半生におけるかなり多くの時間を使って生きてきました。
今はその人とは距離をとっていて、その間に心理学の本を読みなんとなく理解した気になっていたのですが、それがこの本を読んでやっと深いところまで腑に落ちました。今では「ナイトくんが働いていたのかーーー」と納得できます。
そして、人の事を言っていられません。私自身が自分に感じている「自分の困った行動」も、実は「心の防衛反応」=ナイトくんだったのか、と気づきました( ゚Д゚)
- 片付けが苦手
- 時間がないと感じる
- 甘いものをついつい食べてしまう
- 言いたいことが言えない、本音が言えない
- 人と会いたくないと感じる
- 嫌な言葉を言われたり苦手な人に会おうとすると、弱い麻酔を打たれたかのように全身の力が抜ける(←なんてクセ強めで強力なナイトくん!!)
などなど・・・意識すればするほど出てくる出てくるナイトくん。脳内の大爆発が起きてからずいぶん生きやすくなったと思っていたんだけど、なんのなんの、めっちゃ守られてたーわたし( ;∀;)となりました。
心理学系の国家資格である公認心理士をお持ちの方なので、沢山難しい用語を知っていらっしゃると思うのですが、この本は読むのに全く難しくありません。難しい本は読み切れない私が完読できました。そういうところに「どんな人にも自分で自分を助けられるようになってほしい」という橋本さんの優しさが感じられました。
またこの本が素晴らしいのは、後半にワークがあって、ナイトくんと対話することで自分で問題を解決できるようになる「ナイトくんワーク」があるところです。
私は、何度か取り組んでみたら、困った行動をとりそうなときに心の中で「ナイトくん出たーーー!」と意識できるようになってやりやすくなってきました。(困った行動・感情が出たときに一つ一つ名付ける方法が書かれていますが、私は個人的にまとめて「ナイトくん」と呼ぶ方がやりやすかったです。)
ナイトくんワークの中には「ナイトくんに自分が大人になったことを伝える」という段階があるのですが、私は特にここにすごく効果を感じていて、私の中のナイトくんに私の実年齢を教えてあげると毎回「・・・マジ!?」と驚かれているような気がします(笑)
私のようにクセ強めナイトくんと共存していない方でも、周囲にいる「この人のこういうところ、困るんだよなぁ」っていう人(コミュニティで必ず一人はいますよね)の謎が解けるかと思います。
この本を読む人がもっと増えたら、そういう人への理解(困った行動を容認するわけじゃないけど)が増えてもっと地球全体が優しくなれるかも・・・そんなことを考えていたら、韓国、台湾、中国、ベトナム語にも翻訳されるとの情報が届きました。素晴らしい!